音楽　リラックス効果

　自律神経は、自分の意志とは関係なく働く神経で、交感神経と副交感神経の２つで成り立っています。緊張したときに、鼓動や呼吸が早くなったり汗が出るのは、交感神経が優位に働いているからです。逆に、リラックスしているときは副交感神経が優位に働き、鼓動や血圧を減少させ、エネルギーの消費を抑えます。普段は、この交感神経と副交感神経がバランスよく作用し、身体機能を調整しています。ところが、一方が強く働き、バランスが崩れることで体調を崩してしまうことがあります。これが、自律神経失調症です。多くの場合、過度のストレスにさらされることにより起こります。日々の生活の中で、リラックスする時間をもち、ゆっくりと休養をとることは、大変重要なことなのです。

　ヒーリングミュージックとは、ストレスを軽減し自律神経のバランスを整えることを目的として作られた音楽のことです。ヒーリングミュージックを聴くと、リラックス効果が得られることがわかっています。脳波には、普通に活動したり物事を考えているときに出るβ（ベータ）波と、リラックス状態のときに出るα（アルファ）波があります。この脳波の状態を、ヒーリングミュージックを聴く前と聴いたあとで測定してみると、聴く前はβ波が多く出ていますが、聴き始めるとβ波は減少し、α波が頻繁に発生するようになります。ヒーリングミュージックには、緊張を解き、心身ともにリラックスさせる効果があるのです。リラックス効果を得るには、音楽をおよそ２０分間聴くと、β波が抑えられ、α波がよく発生するようになるので、精神的に安定し快適な状態になります。

専門医がすすめる　「働く人のメンタルヘルス・ミュージック」